電話で顧客対応を改善した4つパターン_3
パターン③ クレーム処理
自動販売機ベンダーでは、飲料など自動販売機を、ビルや店舗に設置し保守や商品補充をしている。「お金を入れたのに商品が出てこない」といったクレームに迅速に対応し、顧客からの信頼を勝ち得ている。
自販機の故障で厄介なのは、夜中に発生するケースだ。顧客が設置会社にクレーム電話をいれても、だれも対応できないので、翌日かけ直さなくてはならない。自販機を設置した店舗のオーナーなどが
立て替える場合もあるが、それが続くと店舗側の信頼を失い、他社に変更されることすらある。
とはいえ、1本120円の商品のクレーム対応に24時間人を貼り付けていては採算が合わない。留守番電話で夜間のクレームを受け付ける自販機ベンダーも多いが、録音テープに雑音が入って連絡先を聞き取れなかったりすると、連絡の取りようがないなど問題も多い。
そこで “賢い”留守番電話を使うことで他社の一歩先を行くクレーム対応を実現した。電話応答機能が付いたCTIソフトを使っている。顧客が電話をかけると、「故障のご連絡を受け付けます」といった音声メッセージが流れるのは他と同じ。さらにCTIシステムを使って顧客の電話番号を自動的に記録している。翌日朝一番で出社した事務の担当者が、相手に確認の電話をかけ、郵送で返金する。
それだけではない。音声メッセージの指示で顧客に自販機の番号を入力してもらうと、ここから設置場所や担当者を割り出す。その自販機の保守担当者・責任者・営業担当者の携帯電話に故障を知らせるメールが一斉に配信される。これによって、保守担当者は翌朝一番に修理に出向くことができる。「クレームの電話は、故障を知らせてくれるありがたい電話でもある」と事業本部長さんは話す。故障したままで放置していれば、売り上げも上がらないからだ。
名乗らぬ相手もわかる
プロパンガスの配送業を営む企業も、CTIシステムをクレーム処理に役立てている。
「請求額が多すぎる。メーターを間違えていないか」、「もう払ったはずなのに、再度ひき落とされている」。こういった料金がらみのクレームの場合、相手が名乗らず、興奮して一方的話して電話を切るケースもあるという。実際には顧客の勘違いも多いのだが、名前を聞けないとデータも調べられないし、手の打ちようもない。
「CTIシステム」を導入してからは、名乗らない顧客の名前も表示されるのでかけ直すことができる。
「こういったクレームは、数こそ少ないものの、悪い評価をたてられるので一番怖い。CTIシステムの導入で、このリスクを大幅に減られるようなった」とシステム導入担当者は話す。